私が“馬油”と出会ったのは十数年前になります。ある馬肉専門店のご主人に「やけどに効きますよ」と教えてもらい、購入したのが始まりでした。当時はまだまだ馬油は知られておらず、デパートには馬油のかげさえありませんでした。
その後、“馬の油”の歴史を調べて見ますと、日本で昔から民間薬としてごく日常的に使われていただけでなく、中国やチベットでも馬油の効用は知られていたことがわかりました。
私は馬油の研究を重ねるにつれて、馬の油には一般的によくいわれる「やけど薬」としての力だけでなく、もっとすばらしい効力を秘めていることを実感しました。それは湿疹や炎症の改善によく効くことであり、また現代病ともいうべき花粉症やアトピー性皮膚炎、さらには腰痛など実に多様な症状に効果が見られるのです。
そのほか、女性には嬉しい美容(美肌)効果も得られます。ところが、“馬油=馬の油”のイメージとして、なんだか臭そうな気がするのか、敬遠されがちなのも事実です。実際に販売されているものの多くは無臭で、臭くもなんともないのですが…。
それは近年の自然食品ブームに便乗するようなかたちで、馬油という言葉が先行して脚光を浴びているきらいもあり、まだまだ馬油のほんとうの力を実感している人が少ないことと、馬油について詳しく述べた書籍が少ないことも原因の一つになっているのでしょう。
このような場をかりて、たくさんの人に馬油を知ってもらい、実際に使ってもらって、「こんな症状がよくなった」と喜んでもらえればこんな嬉しいことはありません。
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