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■ ミニ健康書籍 ふるさと文庫 ■


しじみのエキスが肝臓に効く


良質タンパク質とタウリンが内臓を元気にする

 

庶民の味「しじみ」は肝臓の味方

しじみのエキスが肝臓に効く

 しじみといえば、一昔前までは、山間の沢や田圃の用水路などで簡単に取れたものです。ところが今では、もっとも身近な貝だったしじみも、自然の形ではあまり見かけなくなりました。農村といえども、それだけしじみの住みにくい環境になっているということなのでしょう。
 それはさておき、日本には昔から、「しじみが肝臓にいい」とか、「しじみは黄疸に効く」と伝えられて来て、実際に、黄疸になるとひたすらしじみを食べたものでした。ではなぜ、しじみなのか?
 しじみのタンパク質中には、ヒトの体内では合成することのできない必須アミノ酸が豊富に含まれていて、この良質なタンパク質が、肝臓病にとてもよく効くからにほかなりません。高い栄養価とともに、身近に取れてしかも安価な「庶民の味」であったことも、しじみが親しまれた理由でしょう。
 貝類の中では、しじみがもっとも理想的なタンパク質をもっています。
 また、カルシウムと鉄分の含有量も、貝類の中では抜群です。さらに特筆すべきは、リンの成分が少ないこと。リンを過剰に摂取するとカルシウム不足になりますが、その点、しじみはリンが少なく、カルシウムの摂取源としても優れた食品です。
 ところで、肝臓障害で悩む人が増えています。ストレスや過労、偏った食生活、飲み過ぎ……いろいろな原因で、現代人の肝臓はあまりにも酷使されています。
 そういう方に、しじみ(またはしじみエキス)はもってこいの食品です。疲れた肝臓をしじみで修復してやってください。また、貧血の人や、妊産婦、成長期の子供たちにも、しじみをおすすめできます。
 本書では、しじみの成分や効用のほか、しじみの料理、しじみエキス愛用者の体験談などを載せました。この小冊子が、しじみ(またはしじみエキス)の素晴らしさを見直すきっかけになれば、嬉しく思います。

 

著者

 江藤義春(えとう よしはる) 

 

農学博士
1942年宮崎県生まれ。1965年名城大学卒業。1970年岐阜大学大学院修了。中京女子大学講師、同大学助教授を経て、1979年同大学家政学部教授就任。日本栄養食糧学会、日本脂質栄養学会、日本食品衛生学会等の会員。現在は、n−3系脂肪酸の栄養生化学や食品中の機能性物質について研究中。主な著書は「新編栄養学総論」「新編食品衛生学」「図説解剖生理学」(東京教学社)

 

 

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