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■ ミニ健康書籍 ふるさと文庫 ■


乳酸菌は腸内の働きもん


悪玉菌から身を守り、長寿をもたらす役立つ細菌

 

監修を終えて

乳酸菌は腸内の働きもん

 この冊子はとても面白いですよ。しかし、面白いだけではなく、非常に学問的な内容をわかりやすく説明しています。  この冊子の著者、赤谷君は私の共同研究者で、医学薬学的な立場から乳酸菌に目をつけて、特に京都の伝統的な漬け物類にしか見つからないいくつかの乳酸菌を発見してきた仲間です。
 もともと長寿と乳酸菌食の関係を最初に言い出したのはエリー・メチニコフですが、このロシア生まれのフランスの学者は、食細胞の発見者としてノーベル賞を受けました。このメチニコフは、細胞こそが「生体防御」の原点であることを食細胞の発見から証明したために、現在の細胞性免疫学の基礎を築いた人と言われています。
 この冊子が説明するように、生物の消化器(動物では口腔から肛門まで)には多くの防御(免疫)細胞が集まっていて、食物として入ってきた外界の物質や細菌がどんな働きをするかが健康に深く関わっているということが、ますます明らかになりつつあります。その意味でも、この冊子は乳酸菌に関する正しい知識と新たな希望を皆さんに与えてくれると信じます。
 乳酸菌は、農学・工学・食物学・植物学・細菌学など、多くの分野で昔から多くの優れた研究がなされてきました。そのうち、医学薬学の立場からの研究は今世紀後半から盛んになりましたが、漬け物の中の乳酸菌と私たちの健康の問題などはごく最近明らかになってきたばかりです。
 乳酸菌の研究が進展することにより、私たちのより健康で健やかに生きたいという夢が現実となるよう、願って止みません。

 

監修者・著者

 岸田綱太郎(きしだ つなたろう) 

 

医学博士
1920年東京生まれ。43年同志社大学文学部卒業。50年京都府立医科大学卒業。京都府立医科大学微生物学教室教授を経て、名誉教授。84年(財)京都パストゥール研究所(現ルイ・パストゥール医学研究センター)を設立。現在(財)ルイ・パストゥール医学研究センター理事長。74年日本で最初にガン患者に対するヒト・インターフェロンの臨床応用を行う。ウクライナ共和国科学アカデミー正会員、ロシア共和国メチニコフ研究所より記念メダル授与。著書に「インターフェロンの生物学」(紀伊國屋書店)「インターフェロン」(毎日新聞社)などがある。

 


 赤谷 薫(あかたに かおる) 

 


1952年香川県生まれ。1975 年大阪大学薬学部卒業。大阪府立公衆衛生研究所、国立大阪病院を経て、現在、 (財)ルイ・パストゥール医学研究センター有用微生物研究室長。専門は微生物学、免疫学。

 

 

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