医師として何千人というガンの患者さんに接してきた私自身が、図らずもガンの宣告を受けたのは五年ほど前のことです。症状はかなり悪化しており、いわゆる末期ガンと思われました。おそらく手の施しようがないに違いない、そう直感しました。事実、あとで家族に聞いたところによると、余命三ヶ月と言われたそうです。
担当の医師からは当然、手術を勧められました。しかし、私は思い悩んだ末に、手術を断わることにしたのです。末期のガンに至っては、手術も、抗ガン剤も、放射線治療も、無力に等しいことが、長年の経験からわかっていたからです。
といって、命が惜しくないわけがありません。私は本や新聞、テレビなど、あらゆる情報を手掛かりに、ガンに効くといわれる食品を探し出し、その中からこれぞと思われるものを選んで飲み始めました。すると、どうでしょう。数ヶ月後には症状が好転し出し、そして、十ヶ月後には腫瘍が完全に消えてなくなってしまったのです。
まさに奇跡としか言いようがありませんが、この奇跡を与えてくれた抗ガン食品の一つが、本書でご紹介する「フコイダン」なのです。フコイダンにはガン細胞を自殺させる能力のあることが、近年の研究により、明らかになっています。
私が使用したフコイダンは海藻のコンブから抽出されたものですが、その後、モズク由来のフコイダンが登場し、最近ではワカメからもフコイダンが作られるようになりました。
このワカメ由来のフコイダンは、芽株の部分から抽出されるため、「メカブフコイダン」と呼ばれており、コンブやモズクのフコイダンに優るとも劣らぬ効能を秘めていると言われます。私どももガン治療に使用しており、目覚しい効果を得ています。私だけでなく、患者さんにも「奇跡」が起きているのです。この奇跡を起こすフコイダンについて、少しでも理解を深めていただければと思い、筆を執った次第です。
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