わたくしがニンニクの研究をはじめたのは、1980年からですが、すでに1978年には、ニンニクに脳卒中や心筋梗塞を防ぐ“血小板抑圧制作用”があることが判明していました。しかし、その作用がどんな成分によるものかは明らかではありませんでした。
わたくしはこの謎を解くべく、ニンニクの精油に含まれる約16種の成分を分離し、血小板抑圧制作用をもつ未知の物質を見出す研究・実験を行いました。その結果、MATS(メチルアリルトリスルフィド)という名の漬物臭を有す成分をつきとめたのです。これが、血小板抑圧制作用の“核”だったのです。
もっとも、ニンニクの謎がこれですべて解き明かされたわけではありません。今なお研究を進めています。ニンニクには、からだによい成分がたくさん含まれています。でも「あのにおいがだめ」とおっしゃる方が多く、研究者としては残念でなりません。近年開発されている「無臭ニンニク」も摂取量を増やすことで薬効が期待できそうです。
食わず嫌いの方も、一度はニンニクを試していただきたいものです。きっと、健康なからだを作ることができると思います。
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