ニュージーランドなどでは、外科手術後の創傷、各種の細菌に感染した創傷、皮膚潰瘍、ヤケドなどの皮膚疾患の治療において、ハチミツを使用しています。その中でも、マヌカハニーは、他のものよりも効果の高いことがわかっています。
マヌカハニーに限らず、ハチミツが皮膚疾患の治療に使われるのは、抗菌性以外にも、主に次のような働きがあるためです。
★粘性を持ち、創傷の表面を覆うことにより、交差感染(体外からの細菌の侵入による感染)を予防する。
★高い浸透圧により、組織からの滲出液を吸収し、創傷の水分環境を適切に保つため、組織の成長を促し、治癒後にくぼんだ瘢痕が残らない。
★主成分の糖質を、感染細菌がアミノ酸よりも好んで利用するので、不快臭の原因となるアミン類やメルカプタン類に代わり酪酸が生成され、創傷の不快臭が除去される。
★細菌が増殖しがちな死んだ細胞などを分離しやすくし、壊死組織の自己消化作用で、創傷が清浄になる。
★抗菌物質である過酸化水素が線維芽細胞や上皮細胞の増殖を促す働きで、創傷の修復に役立つ。
★炎症を引き起こしている細菌に対する抗菌作用だけでなく、直接的な抗炎症作用も持つ。
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