わが国では、時代に応じて六神丸の構成生薬の変更を余儀なくされてきました。
たとえば、雷氏方剤の構成生薬の1つである「雄黄」は、日本では毒物に指定されている硫化ヒ素≠含んでいるため、国内では使用禁止になっています。雄黄が配合されている六神丸を輸入することもできません。
そうした事情から、日本で市販されている六神丸の構成生薬は、雷氏方剤の「変方」ということになります。
また、日本で市販されている六神丸も数多く種類があり、それぞれ構成生薬が違っているので混乱しやすいのですが、基本的に、蟾酥・麝香・牛黄の3つの動物性生薬に加え、真珠粉(またはカルシウム製剤)が配合されていれば、雷氏六神丸の源流を継承していると考えていいでしょう。
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