ここで、サクランはどの程度の巨大分子なのかを調べてみました。
分子量は様々な方法で測定されますが、新規巨大分子の分子量は、最も信頼性の高い方法である光散乱法で測定するのが良いとされます。
光散乱とは、カルピスのような白濁した溶液にレーザー光線を当てると、光線が様々な方向に散乱される現象です。巨大分子の水溶液も光を散乱しますが、その散乱の度合いは分子量に依存します。そこで、散乱の度合いを測定して分子量を逆算する方法が光散乱法です。
この方法でサクランの分子量を求めたところ、1600万という信じられない値となりました。著者(金子)らの調べた限りでは、サクランは天然素材からの抽出分子としては最大となります。
ヒアルロン酸が超巨大分子ならば、サクランは“超”超巨大分子です。
この世で最も大きい分子とされるDNAでさえ、それを抽出して分子量を測定すると600万という値になってしまいます。これは、分子は抽出するときの作業によって簡単に切断されてしまうからです。
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