糖たんぱく質の線維に沈着しているエラスチンは、エラスチン分子(トロポエラスチン)の集合体です。
エラスチンは、細胞で作られた直後は、未熟なエラスチン分子の形をしていて、そのエラスチン分子がいくつか集まって架橋し(橋をかけ合って)、球状のかたまりとなったものが「エラスチン」なのです。
エラスチンは、とても弾力にとんだ構造をしています。それが糖たんぱく質の線維にどんどん入り込んでいくことで、ゴムのような伸縮性が生まれます。
ちなみに、架橋する前の、個々のエラスチン分子や、足場の糖たんぱく質には、自ら伸縮する性質はありません。
つまり、弾性線維の伸縮性を生み出しているのは、あくまで架橋したエラスチンで、それが糖たんぱく質に結合して初めて、成熟した弾性線維が作られるのです。
皮膚のハリ、靭帯の伸縮性、そして肺や血管の収縮性はどれも、エラスチンの存在なしでは得られないものばかりです。
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