私たちが生きていくうえで体に必要不可欠な栄養素は五つ(“水”も含めて六つともいいます)あります。このうち三大栄養素といわれているのが、みなさんよくご存じの炭水化物、たんぱく質、脂肪です。
では、あと二つは何だかご存じですか。それは“微量栄養素”といわれる有機質のビタミンと無機質のミネラルです。
ビタミンは微量栄養素と言われるくらいですので、三大栄養素ほど必要ではないと考えがちです。しかしビタミンは、たんぱく質や脂肪、ミネラルが素材となって、体の細胞が合成されたり、エネルギーが転換・消費されていく過程で、その反応を助ける中介役をしています。
これを自動車に例えると、ビタミンは潤滑油に当たります。自動車はガソリンとバッテリーだけでは動き出せません。潤滑油を付け加えてやらなければ、エンジンは摩耗し故障してしまいます。ビタミンもまったく同じで、微量ながらも、常に体に補給してやらなければならない栄養素なのです。
本書では、そのビタミンの中でも特に馴染みの深いビタミンCを取り上げ、その生理作用を中心に、欠かすことなく上手に取るにはどうしたらよいかなどを説明してあります。また、ビタミンCと関係するそれ以外のビタミンやミネラルについても若干説明してあります 。
この小冊子がみなさんの健康をつくるうえで少しでも役に立つことになれば幸いに思います。
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