ヘルシーブームが叫ばれて久しい昨今、市場にはたくさんの漢方薬や生薬があふれていますが、そのなかでも高麗ニンジンは「大御所」といった感があります。
なにしろ、わたしたち日本人と高麗ニンジンのつきあいは長く、奈良時代に伝えられて以降、一〇〇〇年以上にわたり「万能霊薬」として、難病には必ず高麗ニンジンの処方が用いられてきました。
その高麗ニンジンも西洋医学が移入されて以後は、医療現場での利用はほとんどなくなっていました。ところが、近年になって高麗ニンジン(とくに紅参)の薬効が化学的に解明されるに至り、治療薬としての効能に注目が集まっています。
たとえば、成人病・慢性疾患に対する有効性、そして新薬の最大の弊害である「副作用」を緩和する働きなど、さまざまな医療効果が世界各国の研究者によって報告されているのです。
本著では、そうした高麗ニンジンの効能を立証する最新の研究報告を逐次折り込みながら、数々の疾患に対するその有効性を紹介していきます。
この本によって、ひとりでも多くの方に高麗ニンジンの素晴らしい効用を知っていただき、病気の予防・改善に利用してもらえれば幸いと思っております。
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