霊芝は「生命を養う長寿薬」として、紀元前の昔から、その薬効が明らかにされていました。二〇〇〇年も前に中国で著された薬物書に、すでに具体的な効能が記載されています。
しかしながら、天然に自生している霊芝はごく希少で、採集することが極めて難しいもの。それが大きなネックとなって、近年にいたるまで霊芝の薬理的な研究はほとんど手つかずの状態になっていました。
霊芝の薬効が科学的に立証されはじめたのは、“人工栽培”に成功して以降、ついここ二〇年ほどのことです。
最初の研究報告は、漢方薬の御家元・中国から出されました。その内容については本文に訓述してありますが、先の二〇〇〇年前の薬物書の記載を見事に裏付ける、すばらしい効能が次々と明らかになりました。
それ以後、日本でも本格的な霊芝研究が開始され、すでに多くの臨床結果が出ています。とくに、現代の難病といわれるガンやアレルギー性疾患、肝臓病などに対する有効性は注目に値するものです。
化学薬品が数多く開発される一方で、その強い副作用が問題視されている昨今、長期間使用してもほとんど害の認められない霊芝の天然成分の働きは、非常に貴重な効能です。
本著では、そうした霊芝の薬効を疾患別に取り上げて、最新の研究報告をまじえながら紹介してあります。
成人病や慢性疾患に苦しんでおられる方、あるいは健康に不安を抱いておられる方に、本著の内容が少しでもお役に立てば嬉しく思います。
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