こめ油は体に優しくおいしさと栄養満点
高コレステロール血症、心筋梗塞、がん、美肌に
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食への健康志向が高まるなか、油はなにかと悪者扱いされがちです。確かに、日本ではここ40年ほどの間に油脂の摂取量が急増し、それにともなって高脂質血症や高血圧、心臓病、ガンといった生活習慣病の罹患率がぐんと上昇しました。
ですから、油脂のとり方に十分配慮することが、健康を保つ重要な要であるのは間違いありません。しかし、問題は「とりすぎる」点にあって、油脂自体は私たちの健康に欠かせない大切な栄養素です。
油脂は、まず生命活動を維持するエネルギー源として重要ですし、体を形づくっている約60兆の細胞膜を作ったり、ホルモンの材料になったり、脂溶性ビタミンを吸収するうえでも不可欠です。油脂が不足すれば、体の根底から健康が損なわれ、病気に対する抵抗力が失われる他、肌もカサついて美容の面にもダメージが生じてきます。
油脂の良さを生かす最大のポイントは「適度にとる」こと。厚生労働省は、1日に必要なエネルギーの20〜25%を油脂でとるよう推奨しています。このうち、食品に含まれる脂肪は別として、調理に使う食用油は成人で1日20gの使用が目安となります。そこで慎重に配慮したいのが「どの食用油を選ぶか」という点です。
最近はさまざまな食用油が登場しています。それらはおのおの体の中での働きが大きく異なることから、どの油を選んで使っていくかは健康を左右する重大問題で、極端な話、寿命にまで関わってくる可能性があります。
そうしたことを踏まえて、私がいま注目しているのが、日本人になじみ深いお米を素材に作られた「こめ油」です。
油脂をとる場合、最も気になるのがコレステロールですが、こめ油はコレステロールを含んでいないばかりか、体内の余分なコレステロールを減らす効果が期待できます。また、こめ油には、万病の元として知られる活性酸素をすみやかに消去する抗酸化成分も豊富に含まれています。
さらに、こめ油は国産原料で作られている安心度の高い油であり、料理をおいしくする名脇役でもあります。例えば、天ぷらにこめ油を使うと、プロの料理人が揚げたようにサクッと仕上がり、素材の風味は倍増します。しかも、口当たりが軽いので胃にもたれることはほとんどなく、調理中に“油酔い”しにくいのもうれしい利点です。
やはり、食事に用いる油である以上、いくら健康効果が高くても、風味に問題があれば長続きしません。その点、体に良くて、安心で、おいしいという三拍子がそろったこめ油はとても貴重な存在です。
いま一般のご家庭にある食用油は、サラダ油とゴマ油、オリーブ油の3つが主流だと思います。そこにさらに、健康効果とおいしさを兼ねそなえたこめ油も、ぜひ仲間入りさせましょう。
これからは、むやみに油脂を「とり除く」のではなく、上手に選んで適度に「取り入れる」という発想で毎日の献立を考え、おいしい健康生活を実践していただきたいと思います。
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■ 井上正子(いのうえ まさこ) ■
医学博士 管理栄養士
東京都生まれ。1966年女子栄養大学卒業、昭和大学医学部にて学位取得。73年日本医療栄養センターを設立し、同センター所長として現在まで地域住民・企業・団体に健康づくりのための医学、栄養教育を行なっている。その傍ら、順天堂大学医学部、日本大学松戸歯学部、女子栄養大学YSK、練馬区保育科研修会の講師、および老人大学、介護福祉士養成機関の講座を担当。練馬区栄養士会会長、日本臨床・公衆栄養研究会会長も兼務。95年日本栄養士会・栄養改善奨励賞受賞、98年日本栄養改善学会学会賞受賞。日本テレビ「おもいっきりテレビ」などテレビ出演も多く、医科・歯科・栄養の各分野および小児・成人・老人など各年代のすべてを含むオールラウンドの健康管理指導者として活躍中。主な著書は「現代生理学」(内田老鶴圃)、「肝硬変の人のための食事」(大塚製薬株式会社)、「たのしい食事」(新企画出版社)、「植物蛋白の生理機能」(日本植物蛋白食品協会)、
「美肌アップに野バラの秘薬ローズヒップ」
「こめ油は体に優しくおいしさと栄養満点」
(ハート出版)「ミネラルウォーターBOOK」(新星出版)「大豆イソフラボン」(日東書院、監修)など多数。
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