ギャバロン茶という名前を初めて耳にされる方も多いと思います。それもそのはず、このお茶は誕生してからまだ五年。一見、名前の響きから中国伝来の漢方薬のようですが、実は正真正銘、日本で生まれた自然飲料。昭和61年に農林水産省の野菜・茶業試験場で、新しく開発された健康茶なのです。
その誕生はじつに奇跡的で、高血圧に効果を発揮するお茶であることがわかったとき、いちばんビックリしたのは開発に携わった当の研究員。そのときの様子を簡単に紹介しましょう。
当時、茶業試験場(現在の野菜・茶業試験場)の研究員たちは、緑茶の風味を損なわずに生葉を長期間、保存することができないものかと、日夜研究を続けていました。そこで試みたのが緑茶の生葉を窒素ガス濃度を高めた空気で密封する方法。これは従来、リンゴ等の果実の保存に使われていた方法でした。
奇跡はそこで起こりました。研究員が窒素ガスで嫌気処理をしたあとの茶葉の成分を分析したところ、血圧降下に有効な成分とされているガンマアミノ酪酸(通称ギャバ)が著しく増加していることを発見したのです。まさに「ひょうたんから駒」といった具合。
それ以後、この偶然に生まれた新しいお茶は、主成分の名である“ギャバ”と、ウーロン茶の響きよい“ロン”をとって、ギャバロン茶と命名され、本格的に血圧降下作用の効能を実証する研究が始まったのでした。
とにかくギャバの含有率は、植物のなかでも、ダントツ。しかも、国の機関である農林水産省が開発したお茶とあって、当初からマスコミでも話題になり、高血圧対策に明るい未来を開く「新星」として、現在、医学会の熱い注目を浴びています。
この本では、まず高血圧症という病気の実態から説明していきます。そして、それを充分に理解していただいたうえで、第2章のギャバロン茶の血圧降下作用を読まれると、その効果のほどについて、納得しやすいと思います。
ギャバロン茶で、ひとりでも多くの高血圧症のかたが、一日もはやくその辛い病気から解放されることを祈っております。
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