キノコというと、栄養価の高いことで知られています。また、キノコに薬効があることは、中国では昔から知られていました。西暦500年頃、中国最古の薬書『神農本草経』には次のような記述があります。
「主に視力を増強し、肝臓の精気を補い、精神を安定せしめ、仁愛・寛恕になる。長期間食べるなら、心身軽快となり、老化を防ぎ、長寿になり、仙人のようになる」
長寿になり仙人のようになる、とまで書いてあるのですから、いかにキノコが大昔から高く評価されてきたかがわかります。
中でも、シイタケは日本人にとって一番身近なキノコです。年間を通して栽培され、比較的安価で入手できるうえに、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養が豊富に含まれていることから、健康食品としても知られています。ことに、干しシイタケにはビタミンB1、B2が生シイタケに比べて数倍あり、光や熱で乾燥させると、カルシウムの吸収を高めるビタミンDが合成されます。
また、不消化物の食物繊維を取ることは便秘解消にもなりますし、成分の一つであるエリタデニンには悪玉コレステロールや中性脂肪を低下させる働きがあります。過剰なコレステロールや中性脂肪は、高血圧や動脈硬化の原因となるので、このような生活習慣病(成人病)の予防にも役立つというわけです。
なによりもすばらしいのは、免疫力を高める作用があることです。
たとえば、風邪や食中毒が流行っている時でも、それにかかる人とかからない人がいます。また同じ病気にかかっても、人によって治りが早かったり遅かったりするのはなぜでしょうか。それは、その人の持つ免疫細胞の活性が異なるからです。
免疫が低下していたら、病原体の細菌やウィルスに負けて、病気が発症します。病気にかからないようにするためには、常に免疫を強化しておくことが必要です。
では、シイタケをたくさん食べれば、病気の予防や改善ができるのでしょうか。もちろん、シイタケは栄養価の高い食品なので毎日食べるのはいいことですが、生活習慣病の予防などを目的とするのであれば、シイタケ菌糸体エキスを利用した方が効果ははるかに大きいのです。
シイタケは知っていても、シイタケ菌糸体となると、「はて、いったい何なんだろう」と首を傾げる方が多いと思います。
シイタケ菌糸体は、シイタケが作られる過程でできるすぐれた成分を培養し、エキスとして抽出されたものです。このエキスには免疫賦活作用、抗腫瘍作用、抗ウイルス作用、抗コレステロール作用、肝保護作用があり、中でも際立っているのが免疫賦活作用です。抗ガン作用があるとして臨床でも使用されており、その他の薬理作用についても、多くの研究機関から報告が出ています。
このように、シイタケ菌糸体には免疫力アップをはじめ、さまざまな働きがあることが明らかになっています。
この小冊子が、健康増進につながれば幸いです。
目次
第1章 シイタケ菌糸体って椎茸なの
シイタケの生みの親が菌糸体
改良が繰り返されたシイタケ菌糸
菌糸体と子実体で差が出る栄養
選び抜かれる菌糸体エキスの抽出法
製品には粉末や粒状がある
第2章 菌糸体の成分の特徴と作用
β―1・3Dグルカンなどが免疫力を活性
ポリフェノールで老化防止
シイタケ菌糸体エキスの安全性試験
第3章 免疫機構を強化してガン予防
免疫担当細胞(食細胞)って?
外敵から身を守ってくれる機動部隊
抗原を退治するには抗体が必要
菌糸体がマクロファージを活性化する
リンパ球の分裂を促す菌糸体
肝臓ガンがエキス投与で減少
ウイルス性肝炎患者の症状緩和
ガンの痛みの緩和にも効果
エイズウイルスの増殖も抑制
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