超高齢社会の日本、アンチエイジング(抗老化)で重要なものの一つが、食生活の改善です。そして、それをサポートする役割をするのが、各種のサプリメントです。その中でも、アンチエイジングの切り札として登場したのが、「コエンザイムQ10」でした。サプリメント大国アメリカでのコエンザイムQ10に対する人気は高く、常に売上高が上位となっています。日本では、発売されるようになってから八年ほどたちますが、やはり人気の高さを誇っています。
ところが、そのようなコエンザイムQ10にも、いくつかの弱点が存在することが知られています。それは、吸収性が低い、光や熱、酸素に対する安定性が低い、ほかの成分との配合変化を起こしやすい、という三点です。これらの弱点は、コエンザイムQ10の作用を十分に受けられないばかりでなく、さまざまな変換物質(後述)をつくり出す原因にもなります。
そこで、こうした弱点を克服する目的で考え出されたのが、「包接コエンザイムQ10」です。γ―シクロデキストリン(環状オリゴ糖)により“包接化”されたコエンザイムQ10のことをいいます。詳細は本文で述べますが、包接化することで弱点が克服されたことに加え、コエンザイムQ10の持つ優れた作用――老化を遅らせたり、病気の予防、お肌の改善などにおいて飛躍的な向上が見られることが、各種の試験で確認されています。
本書では、包接コエンザイムQ10の理解の一助になればと、それらの一端をご紹介していますが、実験の化学的用語などには理解しにくいものもあります。正しく簡素に記述するために避けられない面もあるので、文章の流れの中でご理解いただければ幸いです。また、本文中、コエンザイムQ10は「CoQ10」と略され、包接コエンザイムQ10は「包接CoQ10」と表記され、頻出してくるとちょっとまぎらわしく感じますが、別な物としてお読みいただければと存じます。
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