日本人の平均寿命はこの五〇年で約三〇才も延びました。「戦後の奇跡」とまで言われるこの延び率を支えてきたのは、食事情の改善と医学の進歩です。第二次大戦後に奨励された「高たんぱく・高脂肪」の食事は日本人の栄養事情をたいへん豊かなものにしました。その一方で、抗生物質の開発が多くの伝染病の根絶を果たしたのはご存じのとおりです。
ところが、寿命の延びにともなって、新たな別の問題が生じてきました。昔はほとんどみられなかったタイプの病気――がん、糖尿病、高脂血症、アレルギー疾患など――が急増しはじめたのです。現代病と言われるこれらの病気が増えた最大の原因は、皮肉なことに、豊かになりすぎた食事情にありました。栄養失調の改善に有効だった高たんぱく、高脂肪の食事は、飽食の現代において体をむしばむ元凶になってしまったのです。
頼みの綱の医学も、現代病に対してはまったくの非力です。
そうしたことから医療現場では、これまでの治療一辺倒の姿勢を改めて、「予防医学」の重要性を見直す気運が高まってきました。つまり、病気になってから治すのではなく、病気にならない体を作ろう、健康体を維持しようという考え方が重視されるようになってきたのです。
予防医学には二つの流れがあります。
一つは、遺伝的な病因を発病前の早い時期に取り除いたり、発病を促す食内容や生活習慣―危険因子―を身の回りから遠ざける、いわば「除去予防法」です。これはすでに多くの医療現場で実施されています。
一方、もっと積極的な予防法として注目されているのが、病気の発生を抑える物質を継続的に投与していく、いわば「化学予防法」です。こちらは医薬品の利用も検討されていますが、実際問題としてそれは不可能でしょう。というのも、一時的な治療と違って、予防に用いる場合は利用期間に制限がないため、高額な医薬品では経済的な負担が大きく、また、副作用の問題をクリアするのも難しいからです。
そこで一躍脚光を浴びているのが、天然の食材に含まれる有効成分をエンリッチ(増量)した栄養補助食品です。こちらは手頃な価格で入手できますし、副作用の心配が少ない利点もあります。
本書で紹介するコラゲタイトは、まさにそうした化学予防の申し子のような食品です。コラゲタイトは魚由来の天然の食材で、今話題のコラーゲンとハイドロキシアパタイトという二大成分を豊富に含んでいます。これらはどちらも老化防止の特効成分であり、高齢者の健康管理に有効な他、ストレス社会で働く人々の成人病予防、女性の美容、成長期の子供の発育促進に至るまで、老若男女の健康維持に大きな効果を発揮します。 本格的な高齢化社会を迎えた現在、若い肉体、健康な肉体の維持に役立つコラゲタイトの役割はきわめて大きいといえるでしょう。
目次
第1章 コラゲタイトってどんな物質?
魚のウロコとの運命的な出会い
主成分はコラーゲンとアパタイト
第一号のコラゲタイトができるまで
第2章 コラーゲンの有効性を探る
コラーゲンは単なる美容液ではない
体の強靭な弾力を生む原動力
丈夫な骨を作るのに不可欠
皮膚本来のハリとつやを生み出す
関節痛もコラーゲン不足が引き金に
コラーゲン不足が関わるその他の病気
コラーゲンを食べる必要はあるのか?
毎日の食事で十分にとるのは難しい
第3章 アパタイトの有効性を探る
若い丈夫な骨を作る主成分
体液中のカルシウムの役割
カルシウムは不足しやすい栄養素bP
こんな人は特にたくさん取りたい
カルシウム不足が関わる病気
第4章 「コラゲタイト」の効果
骨粗鬆症の予防にも有効
血中脂質や血糖値の改善もみられた
家畜の肉や乳の「質」向上にも役立つ
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