私たちの生活はさまざまな有害物質にとりまかれています。公害による大気汚染はいうに及ばず、農薬、タバコ、防腐剤・着色料など食品に含まれる有害物質もたくさんあります。これら有害物質は「便利なために」と人間が作り出したものでありながら、私たちの体をむしばみ健康な生活を営めなくする原因となっています。現代の食生活は、健康と隣り合わせに恐ろしい環境・物質が存在することを忘れてはなりません。
確かに薬や医療機器を含めて、医学は急速な進歩をとげています。このため一昔前までは不治の病とされてきた病気を克服することもできました。しかしながら現代の死亡原因のトップであるガンについては、手術、放射線療法、抗ガン剤などの対症療法が試みられているものの、決定的な治療法のないのが現状です。
私は昭和四〇年頃から“サルノコシカケ”の「制ガン作用」について研究をしており、さまざまな実験データから、ある程度の制ガン性を立証するに至っていました。そのような時、たまたまキノコ狩りに行った山の中(山形のブナ原生林)で、ある種の冬虫夏草と運命的に出会ったのです。
冬虫夏草は“生きた昆虫”に寄生し、虫の内部細胞を見事に分解して、それを栄養源にして成長していく「キノコの一種」です。つまり冬虫夏草は“昆虫の細胞を分解する強力な酵素「生理活性物質」”を持っているということで、私は、この作用がヒトのガン細胞をも分解してくれるのではないか、と直感的に考えました。
それ以来、昼夜を問わず日本産の冬虫夏草の研究に没頭した結果(もちろん長い歳月がかかりましたが)、冬虫夏草はガン細胞を分解する力を持っていることが立証されました。研究当初は半信半疑だった周囲の人々も、数々の実験データや、実際に冬虫夏草を飲んでガンを克服した人たちの報告を聞き、その効力を認めてくれるに到ったのです。
それとともに、マスコミにもとりあげられ、冬虫夏草は一躍、時の人ならぬ「時のキノコ」となりました。その後も私の研究は続き、ついにはこれまで困難と言われてきた、日本産の冬虫夏草の人工培養を成功させることができました。
このような一連の私の研究の成果が、そして日本産冬虫夏草が、一人でも多くのガン患者の助けとなり、やがては不治の病とされてきたガンが、「必ず治る病」になってくれればと願っています。
目次
第一章 冬虫夏草の不思議をひもとく
冬虫夏草で世界記録ラッシュ
冬虫夏草は珍重なキノコ
高温多湿の原生林に自生
不老長寿の薬膳料理
南方熊楠も伝播に一役
〈コラム〉冬虫夏草を食べられる店
第二章 冬虫夏草で発ガン予防
強力な抗腫瘍成分でガン退治
エスゴステロールパーオキサイド
免疫力を強めるポリサッカロイド
抗ガン剤との併用で効果倍増
新陳代謝を活発化させる
冬虫夏草の臨床例
第三章 飲用の仕方・体験談
キノコ狩りのついでに見つけよう
冬虫夏草のエキス
副作用の心配なし
ガンから生還! 奇跡の体験談
キノコは人を救う
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