わさびはツーンと効く

辛味成分が食欲と健康をパワーアップ

川岸 舜朗 著 1996.12.23 発行
ISBN 4-89295-371-7 C2177  文庫サイズ 48ページ 定価 275円(本体 250円)

わさびは体内環境をつくる香辛料

わさびはツーンと効く

 私がわさびに魅力を感じ研究するようになってどれくらいがたつでしょうか。
 日本の食文化に大きく貢献しているわさびは、人の健康にも大変役立つ植物です。食欲を増進させることはもちろん、脳梗塞や心筋梗塞の原因になる血栓の生成を抑制する「抗血小板作用」、さらにはここ数年で明らかになりつつある「制ガン作用」など、病に対するわさびの効能も注目を集めてきています。ただし間違わないでいただきたいのは、わさびに病気を完治させる力があるわけではなく、体内の代謝の偏りをなくし、病気になりにくい体内環境を作ることで予防するということです。わさびは薬ではありません。しかし本文で述べるような病気の予防につながることは、まぎれもない事実です。
 一昔前は、ツーンと鼻にぬけるえもいえぬ辛味が日本人を魅了していたのでしょうが、この辛味こそがわさびのパワーの源だったのです。老若男女誰もが健康に関心のある現在では違った意味でわさびを見つめ直すことは意義あることでしょう。
 しかし、歴史面や学術面、栽培面など違った角度からわさびを見たとき、その姿を真に理解している人は少ないと思います。姿形は小さくゴツゴツしていても、その奥に意外な力を秘めているのがわさびなのです。
 簡単な記述ではありますが、この小冊子を読んでわさびを深く理解していただければと思い執筆しました。そして、わさびのファンが増えてくれれば嬉しいことです。わさびが単なる健康ブームに乗った一過性のものではなく、日常的に愛され続けるであろうことを信じています。また、日本人だけでなく全世界の人々にわさびパワーが理解されることを願って、これからもわさびの未知なる力を解明すべく多くの研究者によって研究・探求が続けられることを期待しております。



目次


   〈コラム〉わさびの加工品

第1章 日本人の味覚を魅了する植物
       沢と畑(林間)でつくられるわさび
       本わさびと粉わさびは種類が違う
       花あるわさびは根が命
       献上品として珍重されていた
       栽培の始まりは徳川家康のころ
       日本の食文化のアクセント
       ソバとわさびは相思相愛
   〈コラム〉品種の違い

第2章 辛味成分がパワーの源
       ツーンの正体はアリルからし油
       優れたわさびの抗菌性
       からし油の香りで臭いを消す
       血管の健康が成人病を防ぐ
       アリルからし油が血栓の抑制に働く
       わさびの制ガン作用に注目
第3章 もっと活用して楽しむために
       わさびを上手に料理しよう
       わさびの選び方・すり方・保存の仕方
       産地、栽培方法、生産量



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