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私たちを取り巻く生活環境を眺めてみると、必ずしも体によいものばかりではない ことに改めて気づきます。むしろ、健康を阻害する要因に満ち溢れている、といった ほうがいいくらいです。
それは食べ物一つをとってもいえるでしょう。極端なことをいえば、体によいと 思って取っていたものが、実は汚染物質にまみれていた……、こうした例は少なくあ りません。
もともと動物には、悪いものには近づかない、悪いものは回避して通る、という本 能が備わっています。しかし、現代社会はそれを許さなくなっています。たとえ表面 的には良さそうに見えても、その内実のところまでは、判別のしようがないからです。
もし、そうだとすれば、だれもが生きている限りは、何らかの形で体に悪いものを 取り入れている、取り入れざるを得ない状況にある、ということです。
そうした中で、いかにして健康を維持していくか。そのためには、体に侵入してく る病魔のタネを、それはそれとして受け入れつつも、一方で、その発現を抑えるため の手段を講じることが必要です。
その結果、病魔のタネを抑え、発病の時期をできるだけ遅らせることができれば、 そして発病する前に安らかな死を迎えることができれば、それこそ天寿を全うしたこ とにもなるでしょう。
こうした予防医学の観点からすると、たとえば生活習慣病など、ストレス性の病気 は、本人の心掛け次第で、ある程度、未然に防止することができるのです。
宰相が病に倒れたことに見られるように、血管(循環器系)を病む日本人が増えてきています。そして、死亡原因の上位を占めるガンや脳卒中、心筋梗塞などの原因を 突きつめていくと、そこには活性酸素という悪役が浮かび上がってきます。この活性 酸素は体の中で大量に発生すると、血管や細胞組織を傷つけ、生体を蝕み、さまざま な病気をもたらす原因となります。いわば、万病の元ともいえるものです。
ただし、活性酸素は悪役ではありますが、その発生をすべて食いとめるというわけ にはいきません。なぜなら、生きている限り、共存する関係にあるからです。要は、その発生をいかにして最少限にとどめ、病根を断つかということです。
そのための手段として、いまもっとも注目を浴びている物質があります。それが、 本書でご紹介するトコトリエノールです。これはビタミンEの一種ですが、活性酸素の発生を抑える、つまり抗酸化力という点では、従来のビタミンEの数十倍も強力で あるといわれています。
ビタミンEの前に「スーパー」と冠せられる理由もそこにあるのですが、まずは本 書によって、トコトリエノールへの理解を深めていただければ幸いです。
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