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厚生労働省が2003年に発表した糖尿病の実態調査によると、糖尿病が強く疑われる人は全国でいまや740万人に達し、予備軍を含めるとその総数は1620万人にのぼると推計されています。
なんと、成人6・3人に1人が糖尿病またはその予備軍というわけです。
5年前の調査にくらべて総数が250万人も増え、とくに予備群の増加が目立ちます。社会の高齢化に加え、糖尿病を甘く考える人が多いことも糖尿病人口を押し上げている一因と考えられます。
というのも、日本の糖尿病の9割以上を占めるU型糖尿病は、健康なときから過食、運動不足、ストレスといった危険因子を遠ざけた生活を心がければ、たとえ遺伝的因子をもっていても糖尿病にならずにすみます。
糖尿病は、何かの原因で一度発症すると元に戻ることはなく、一生悩み続けることになりますが、でも予防できる病気なのです。
しかも一方で、定期検診などで「糖尿病の疑いあり」と診断されてもなお、まったく意に介さず放置する人が相当数います。
糖尿病は、初期では自覚症状がほとんどないため、自分が病気だという意識がうすく、また糖尿病人口が多いことが逆に安心材料になっているふしもあります。しかし、それは大きな誤解です。
糖尿病を放置すると、体は日々刻々と確実にむしばまれていきます。本文で述べるように、自覚症状が現われたときはすでに体のあちこちに恐ろしい合併症が発生し、網膜症で失明したり、腎症が悪化して人工透析が必要になったり、神経障害で足の切断を迫られるケースもしばしばです。
また、糖尿病に加えて、高血圧、高中性脂肪血症、肥満という4つの病気が揃うと「死の四重奏」といって、致死率の高い心筋梗塞が起こりやすくなります。その4つの病気は、それぞれに独立した病気というよりも、どれか1つが発症すると、他の病気も発症しやすくなるという相乗的なリスクが高まる病気群なのです。これら4つが併発しやすいことを考えると、糖尿病はまさに生命に関わる病気といえます。
糖尿病克服の決め手は、早い段階で見つけて対処することに尽きます。
きわめて初期の糖尿病なら、食事療法と運動療法で解決できますが、多くの現代人にとって、それを実践するのは難しいでしょう。そこで食事療法を強力にサポートする、キクイモに豊富なイヌリンをおすすめします。
イヌリンは、血糖値の正常化に役立つとともに、高中性脂肪血症と肥満にも奏効します。つまり、イヌリン1つで「死の四重奏」のうち、3つの病気を解決に導くことができるのです。
欧米では十数年前からキクイモの研究が本格化し、糖尿病や肥満、高中性脂肪に対する有効性のほか、腸を活性化するプレバイオティクス(本文参照)として、さらに大腸がんの特効食品としても脚光を浴びています。
かつて戦後の日本において、キクイモは「飢え」をしのぐ貴重な食糧でした。そのキクイモが 世紀を迎えた現在、今度は「飽食」の危機から私たちを救う食材として再度注目されているのは何とも不思議な因縁です。
食品であるキクイモは、医薬品と違って安心して食べられるので、糖尿病の改善はもとより、予防にもぜひ利用していただきたいと思います。
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