団塊の世代がこぞって50代後半にさしかかり、まもなく国民の4人に1人が65歳以上の時代を迎えつつある現在、痴呆症の増加がいよいよ深刻になってきました。厚生労働省の推計では、すでに痴呆性老人の総数は150万人をゆうに超え、2015年には262万人、2035年には337万人に達するとされています。
もはや痴呆症は誰にとっても決して他人事ではなく、自分自身あるいは近親者にいつ出現してもおかしくない状況です。
痴呆症に対する決定的な治療法がない現状では、私たちはただ怯えながら毎日を過ごすしかないのでしょうか。否、それではあまりにも消極的すぎます。治療薬の開発は専門家にまかせるとして、私たち自身、痴呆症にならない努力をすることが大切です。
年をとればいつか痴呆症になるのは避けられないことかもしれません。しかしそうであっても、痴呆症の発生や進行を寿命の尽きる先まで先延ばしできれば、結果的に痴呆症を予防できたことになります。
痴呆症は、脳卒中の後遺症として発生する「脳血管性」と、原因不明のまま脳全体が萎縮していく「アルツハイマー型」に大別できますが、脳血管性痴呆症は、脳の血行を良好に保つことが最大の予防策であり、改善策にもなります。
一方、アルツハイマー型については、患者さんの脳を調べてみると、記憶や学習能力に関与しているアセチルコリンと呼ばれる情報伝達物質が大幅に減っていることが知られています。そのため、脳内のアセチルコリンを増やすことが、アルツハイマー型の予防と改善に役立つ可能性が期待され、脳内のアセチルコリンの分解を防ぐ薬が、いま日本をはじめ世界のアルツハイマー型治療薬の主流となっています。この薬は、アルツハイマー型を完治させる力はないものの、早い時期から使用すれば症状の進行を先延ばしできるとされています。
そこで注目したいのが、本書で紹介するビンカマイナーです。
ビンカマイナーは、ヨーロッパ原産のハーブの1つで、世界20カ国以上で医薬品素材または機能性食品として利用されています。
実はこのビンカマイナーは、脳の血行促進およびアセチルコリンの分解阻害の両方に役立ちます。そして実際に、人を対象にした臨床試験で、脳血管性とアルツハイマー型のいずれの痴呆症に対しても大きな成果をあげているのです。
ビンカマイナーの効果の詳細は本文で述べますが、一部の国で医薬品になっているものだけに信頼できる科学的データが揃っており、なおかつ天然ハーブなので副作用の心配がないのが大きな特徴です。
老後のQOL(生活の質)の向上、ひいては豊かな超高齢社会を築くために、ビンカマイナーは大変心強い味方となるでしょう。
なお、本書では痴呆症に対する効果に比重をおいて紹介しましたが、ビンカマイナーは痴呆症だけでなく、脳循環不全に基づく精神・神経症状や、脳の老化、若者の知能向上にも効果を発揮します(3章参照)。
ですから、世代を問わず、ご家族みなさまでビンカマイナーを利用し、脳の健康維持・増進に役立てていただければ幸いに思います。
目次
第1章 世紀の難病「痴呆症」
こんな症状がみられたら要注意
痴呆は、単なる脳の老化現象ではない
「脳血管性」は脳卒中後に起こる
最近増えてきた「アルツハイマー型」痴呆症を退けるための強い味方
第2章 効果を生みだす三大作用
ビンカマイナーは欧州では医薬品
脳の血液の流れをよくする
脳のエネルギー生産を高める
アセチルコリンの働きを高める
〈コラム〉代表的な神経伝達物質とその働き
第3章 脳に対してここまで効く
ビンカマイナーで痴呆症状が改善
脳の血行不良による諸症状が緩和
脳の老化をくい止めるうえでも有効
憂うつ症、視覚障害などにも効果的
若い世代も“頭がよくなる”
第4章 効果的な摂取法Q&A
Q・1日どのくらいの量を目安に摂取するといい?
Q・口から摂取したビンカマイナーは脳の中へ入っていく?
Q・ビンカマイナーの補給源としてはどのようなものがある?
Q・別のサプリメントと一緒にとっても問題ない?
Q・食品としての安全性は確立されている?
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