私の健康法の基本は、偏食しない、食べすぎない、運動不足にならない、の三つを守ることです。
それでも病気になることもあります。そのとき“ササ”が私を助けてくれました。
大学に在職中の定期検診で、私は二年続けて「肝機能に異常あり」といわれてしまいました。すると、当時私の造った“ササエキス”を飲んでいた肝臓病の患者さんが「エキスはよく効きますよ、先生」と勧めてくれたのです。
なんとも恥ずかしい話なのですが、医者の不養生とでもいうのでしょうか、私は自分で造ったササエキスの効力のほどを、患者さんから改めて認識させてもらうことになったのです。私は朝昼晩の三回、ササエキスを0.1gずつ飲んで、次の年の検診を受けました。
結果は「異常なし」でした。以来私はササエキスを飲み続けて健康を維持しています。
ササは日本国中どこにでもあるので、昔から料理の防腐や色どりに、またササ茶などとしても広く利用されてきました。
一方、山野に生えているササは地表を網目のような地下茎で守り、豊かな緑ときれいな空気を提供し、清浄な水を供給するなど、自然環境の上でも大切な役割を果たしています。
かつて、ササエキスがガンに効いたという臨床試験結果が報告されると、多くの人達が関心をもちました。ドイツでも五一二人の医師の協力で臨床テストが行なわれ、ガン患者の延命をはじめ、疼痛の緩和など、いろいろな効用が報告されています。
この小冊子の中で、ササエキスの効用の要点を述べますから、ぜひ試しに飲んでみて下さい。きっと多勢の方々によろこんでもらえると私は信じています。
目次
〈コラム〉“ササ”は世界共通語
第1章 ササやかながら豊富な成分
意外に多いササの含有成分
ササの葉の抗菌性
ササの対ガン効果
“ササ多糖類”が効く
〈コラム〉パンダの糞は臭くない
第2章 ササの葉三枚健康術
ササの葉一日三枚で健康維持
ササ採取の注意点
ササエキスの作り方
おいしいササ茶の作り方
ササ入りおやつクッキング
第3章 資源としてのササ
手ざわり抜群ササの和紙
ササの葉は飼い葉にもなる
第4章 ササの基礎講座
ササの分類、分布、蓄積量
〈コラム〉ササの花ってどんな花?
“ササ舟”で遊ぶ
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