白い隈どりのあるクマ笹は、笹モチ、チマキなどを包んだり、にぎり寿司の下に添えられたりして、日常生活の中でもよく目にします。その鮮かなグリーンの葉は、食べ物をよりおいしく見せるための装飾としておもに用いられます。見た目の美しさもさることながら、腐敗を防ぐ成分も含まれているクマ笹は、食べ物の鮮度を保つ役目を同時に果たしています。
また、この葉には防腐効果があるだけではなく、抗腫瘍作用、細胞賦活、脱臭作用などの効果もあり、各種アミノ酸をはじめ栄養価の高い多くの成分が含まれています。そのため、東北地方では昔より病に効く治療葉として尊ばれてたり、漢方薬のメッカである中国では、薬効のある植物として伝承されてきたのです。
さらには、クマ笹の主成分である「ササ多糖体」がガン抑制に効果的であることが判明し、制ガン剤としても注目を集めています。クマ笹エキスを服用すると細胞が強化され、細胞のガン化を抑える効果が得られると考えられているのです。また、クマ笹は化学薬品とは違って自然の植物なので、副作用の心配がないことも大きなメリットといえましょう。
現代人の多くは、食生活の偏りや社会生活における精神的ストレス、環境汚染などによって、ガンをはじめとした胃腸病や肝臓病、高血圧、ぜんそくなどの現代病に脅かされています。しかも、病魔は成人ばかりでなく幼い子供たちにまで及んでいるのが現状です。これらの症状に、化学療法が重要なのはいうまでもありませんが、化学療法ばかりに頼るのではなく、まずは病気にかかりにくい抵抗力ある体づくりを心がけていくことが大切なのです。クマ笹のエキスには本来人間にそなわっている自然治癒力と免疫機能を高める効果があるので、細胞を活性化させながら、病気にも負けない体づくりができます。
たかがクマ笹の葉とバカにしてはいけません。クマ笹の薬草としての可能性を見ていきましょう。
目次
〈コラム〉クマ笹はイネ科の植物
第1章 クマ笹に栄養はあるの?
クマ笹は薄くても栄養たっぷり
細胞を強くするササ多糖体
血をきれいにする葉緑素
生命の源、必須アミノ酸も含有する
〈コラム〉笹で漉いた和紙
第2章 ガンを抑えるクマ笹パワー
抗ガン剤として注目を集める
自然治癒力を向上させる
クマ笹のリグニンもガンの抑え役
〈コラム〉ミニ独立国は竹の里
第3章 クマ笹エキスはえらい
胃腸病に効き、便秘も解消
高血圧・低血圧に効く
口臭・体臭・わきがの悩みも軽減
肝臓の機能を高める
湿疹、かゆみ、水虫を抑える
歯槽膿漏・口内炎に効く
食中毒の予防にも欠かせない
第4章 クマ笹の健康活用法
クマ笹エキスの作り方
家庭でクマ笹を栽培する
クマ笹のさまざまな料理法
クマ笹風呂は子宝の湯
〈コラム〉竹類の博物館
監修者
山之内慎一(やまのうち しんいち)
医学博士
昭和4年東京生まれ。26年東京薬科大学、29年明治学院大学、36年日本獣医畜産大学卒業。漢方医学を杏林会をはじめ日本漢方医学研究所、千葉大学東洋医学研究会、日本漢方協議会などで学び、48年より藤門医林会で漢方古典を研究し現在にいたる。漢方専門薬局経営、日本東洋医学会元委員、日本漢方協会会長。主な著書に「よく効く漢方と民間療法」(永岡書店)、
「明日葉で奇蹟が起きた」(ハート出版)、
ふるさと文庫に
「自然治癒力を高めるあしたば」
「緑のエッセンス クマ笹の底力」
「ガン・老化に勝つ松葉の力」がある。
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