近年「身土不二」という概念で「食」に取り組まれる方が多くなりました。自分たちの育ってきた身近なところに慈養となるものがあり、その土地で消費することは環境にも優しいことになります。
もともと日本人は農耕民族としてお米を主食に和食文化が発展しました。しかし残念ながら、食の欧風化によって、日々の食事内容も変わり、現代の若者にとっての「おふくろの味」もカレーライスやスパゲティに変わってきています。
時代とともに豊かになってきた食卓ですが、一方でメタボリックシンドローム現象に歯止めをかけなければならない食環境にもなっています。
国内の産物には日本人だから適する食べ物がたくさんあります。同じ品種の作物でも、生育地によって栄養価の誤差はありますが、その土地でとれたものにはその土地の人に適合する力もあります。
「ハスカップ」は、厳しい自然と共存しながら食糧を探し求めて生きてきたアイヌの人たちから伝えられてきたものです。「不老長寿の妙薬」とも言われ、長く寒い冬を越すために四季折々に収穫した身近な野生植物や魚肉類と共に「加工・保存」しながら利用してきました。
その甘酸っぱい味はお料理やお菓子だけでなく、お酒などにも幅広く利用されています。
また、栄養価においては、現代人に不足がちなカルシウムや鉄分だけでなく、高い抗酸化力に優れているため、生活習慣病の予防にも大いに役立つ成分が多く含まれています。
ストレス社会の現代人に、少しでも「ハスカップ」の素晴らしさを知って頂けたらと思います。
目次
〈コラム〉ハスカップ食品あれこれ
第１章 中医学の知恵に学ぶ
五臓六腑のバランス
４０００年の歴史をもつ中医学
五臓の相生と相剋の関係
現代人は「肝」「腎」要!?
血管系の病気が増えている理由
ストレスと偏食の影響
「肝」と気・血・水の関係
もう１つの中医学の概念
「気」の停滞がストレスを生む
「気・血・水」のすべてに関与
「肝」機能の衰えを示すサイン
こんな症状は要注意
【疲れ目】
【筋肉のけいれん】
【精神的イライラ】
【すっぱいものが苦手】
「肝」を弱める要因
食品の色と五臓の関係
ストレス――「肝腎」を直撃
食生活――辛いものはＮＧ
その他――「腎」が弱い
肝腎な「黒い」食品
第２章 ハスカップの魅力に迫る
北海道の大地の恵み
生命力の強い北方産植物
食用と栽培の歴史
抗酸化成分の王様
ポリフェノールの一種
最強クラスの抗酸化物質
ブルーベリーと同等の含有量
ブルーベリーの十倍も!?
目にいいアントシアニンが豊富
未知のポリフェノールも含有？
ビタミン・ミネラルも豊富
ビタミンＣ、Ｅ、カロテン
カルシウムと鉄も豊富
〈コラム〉北の果実は体を冷やさない
第３章 こんな症状にハスカップ
メタボリックの予防にも
動脈硬化と病気の関係
コレステロールの酸化を防ぐ
中医学的にも説明がつく
「シアニジン」のちから
疲れ目は「肝」の衰えのサイン
「シアニジン」が効果の主役
貧血予防にも最適
鉄の補給源として有効
貧血体質の改善にも
若さを保つために
肌が老化するしくみと対策
骨の材料補給に役立つ
ストレスの予防に
ハスカップはここに効く
〈コラム〉栄養学と営養学
第４章 ハスカップを「結氣膳」で
「結氣膳」とは!?
ストレス社会の食志向
弟の死から考えたこと
全てを網羅するものがほしい
食べる時の心の状態も大切
もっと充実した食事を
身近な食材を見直そう
体においしいハスカップレシピ
1. ハスカップご飯
2. ポテトサラダ
3. ハスカップとバナナジュース
4. ハスカップサワー
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